面接での質問はどの企業でもおおよそ同じ内容で、決まった流れです。
転職の面接時に必ずおさえておきたい基本の5つの質問と回答例、答える際のポイントを紹介します。
あらかじめ面接で聞かれることや好印象を与える答え方を把握して、十分に対策しておけば、自信を持って本番に臨めるでしょう。これから面接を控えている方はぜひ参考にしてください。
質問1【自己紹介】
面接官の意図
面接官が自己紹介を求める意図は主に、
- 応募者の人柄を知りたい
- 簡潔に話すスキルがあるかを把握したい
- コミュニケーション能力があるか知りたい
- 話しやすい雰囲気作りをしたい
の4つです。面接での第一印象が決まるので、油断は禁物です。
応募者の話す表情や姿勢から人柄を知りたいというのはもちろんのこと、コミュニケーション能力や簡潔に伝えるスキルがあるかどうかも見ています。冗長になるのは避けて、1分程度、長くても3分以内にまとめて分かりやすく話しましょう。また、応募者の緊張をほぐすために、はじめにアイスブレークしたいという意図もあります。面接の冒頭は緊張するでしょうが、なるべくリラックスして臨んでください。
答える際のポイント
1~3分ほどでまとめる
緊張しているとたくさん話してしまいがちですが、簡単な自己紹介を数分で伝えられるように練習しておきましょう。簡単な職務内容を紹介する場合と、経歴や実績を交えた場合などいくつかパターンを用意しておくとどのような聞かれ方をしても安心です。
今までの経験やスキルを端的に伝える
応募した仕事に活かせるスキルや経験、実績についても端的に触れましょう。最初に面接官の興味を惹きつけることで、後で詳しい話を膨らませやすくなります。
応募企業への意欲をひとこと付け加える
前向きな印象から面接をスタートできるとその後の話もスムーズに進みやすくなります。「自分のスキルが活きると思い応募しました」「〇〇の点が魅力的だったので、面接に伺いました」など企業に惹かれた理由を添えて、「本日はよろしくお願いします」と締められると好印象です。
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質問2【転職理由について】
面接官の意図
面接官が転職理由を聞く理由は主に、
- 「転職理由が自社で改善できるかどうか」
- 「同じ理由でまた退職してしまう可能性はないか」
- 「自社との相性は良いか」を把握するため
です。せっかく入社しても、前職と同じ理由で早期に退職してしまっては、企業・個人ともにデメリットしかありません。
答える際のポイント
誠実に回答する
前職になにかしらの不満があるから転職するということは面接官も理解しています。ネガティブな面を隠そうとして無理に取りつくろったり、うそをついたりする必要はありません。第三者が聞いても納得するような転職理由であれば、正直に話してもよいでしょう。ただし、会社の愚痴だけにならないよう気を付けてください。
具体的・論理的に話し、結論を前向きに展開する
転職理由を話すときは、具体的かつ論理的に話しましょう。前職で不満だったことに対して改善するため努力した点を伝え、キャリアや仕事のことを考えて転職を選択した、という流れで伝えると良いでしょう。ネガティブな理由であっても、ポジティブな選択に変換すると悪印象にはなりません。
「言わないこと」を決める
「絶対に言わないこと」を決めておくのも大切です。組織に属す以上は誰でも多少の不満を抱えています。ビジネスパーソンとして考えたときに不適切な項目はそぎ落としてから面接に臨みましょう。
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質問3【志望動機について】
面接官の意図
面接官が志望動機を聞く理由は主に、
- 「応募の熱意」
- 「長く働いてくれそうか」
- 「企業研究は十分にできているか」
を確認するためです。
企業は、自社に魅力を感じて入社後に長く貢献してくれる人材を探しています。「なぜ自社に入社したいのか」を聞くことで、応募者自身の転職の軸と自社を結び付けて考えられているかどうかを知ろうとしています。
答える際のポイント
応募先の会社であるべき理由を答える
志望動機では企業に対しての本気度や、長く働ける人材であることをアピールする必要があります。「なぜ他社ではなく、自社を選んだのか」という明確な動機やこだわりを伝えることで、面接官の「すぐに辞めてしまうかもしれない」という不安を払拭することができるのです。
企業研究を入念に行い、会社の強みはなにか考える
「同業他社ではなく、なぜ応募先の企業に入社したいのか」はその企業の強みを見つけることで語りやすくなります。企業の公式HPや求人情報はもちろん、新聞やインターネットなどを通して、会社の現状や業界内でのポジション、将来性、採用したい人物像をよく研究しましょう。
自分のキャリアの「軸」と重ねる
企業研究を十分に行ったら、自分自身の目指す方向性=「軸」と照らし合わせましょう。転職を機にもう一度キャリアプランを立て直し、応募先の企業が計画を成就させるためのステップになるかどうかを吟味しつつ志望動機を作成すると、説得力のある動機が出来上がります。
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質問4【自己PR(活かせる経験・実績・スキルについて)】
面接官の意図
面接官が自己PRを聞く理由は主に、
- 自社で求められる成果を出して活躍できそうか
をイメージするためです。これまでの回答内容をふまえて、会社に貢献している姿を想像しようとしています。
答える際のポイント
募集職種に適した経験や実績・スキルを選んで答える
面接官が知りたいのは、入社後に具体的にどのような活躍が見込めるかです。そのため、自己PRでは、募集職種に役立てられるスキルや能力を持っていることをアピールしましょう。企業が求めるスキルや能力を把握する必要があるため、自己PRでも志望動機を考える際の企業研究が役立ちます。
目的達成のための行動を具体的に話す
どのような仕事にも必ず「目的」があります。前職で目的を達成した実績があれば、その過程で取った行動を具体的に話すことで、目標達成志向の強さ・行動力・実行力をアピールすることが可能です。どんな職種であっても目的達成力はアピールポイントになるので覚えておきましょう。
実績は具体的な数値で語る
ただ「努力しました」と抽象的な伝え方をするのではなく、自分の働きでどんな成果が上がったのか、定量的に示すと面接官にイメージしてもらいやすいです。売り上げ・目標達成率などの分かりやすい実績が自分にはない、と悩む方は多いですが、例えば「〇時間かかっていた作業がどれだけ削減できた」「月に〇件ほど発生していたミスがゼロになった」なども実績に含まれます。
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質問5【逆質問(面接官への質問)】
面接官の意図
面接官が逆質問をする理由は主に、
- 「自社への入社意思は強いのか」
- 「お互いのマッチ度を確認するために知りたいことはないか」を知るため
です。入社する意思が強く、働いているイメージが本人の中にあるかをチェックしようとしています。
答える際のポイント
必ず何か質問する
逆質問の内容が選考結果を大きく左右することはないのですが、必ず何か質問するようにしてください。面接官は質問の有無や内容によって「自社に本当に興味を持っているのか」「自社への入社意思は強いのか」を最後にチェックしています。
待遇や福利厚生についてばかり質問しない
仕事内容や企業については聞かず、勤務条件に関する内容にばかり言及するのは避けましょう。仕事内容や会社よりも、条件面を重視する人だと誤解されてしまう可能性もあります。調べても分からないこと、面接の場で直接聞きづらいことは転職エージェントを通して確認することもできますので、ぜひご相談ください。
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転職時の面接でほかによく聞かれる質問
面接でよく聞かれる質問には、基本的な5つ以外に
- 「キャリアプラン・キャリアビジョン」
- 「雇用条件」
- 「会社の経営方針や事業」
- 「時事問題」
- 「答えにくい内容」
などがあります。事前に準備しておくと焦らず答えられます。また、答えにくい内容に関しては準備できないことも多いため、何を聞かれても慌てないで済むように自身の転職活動のプランや目標を明確にしておくと心強いです。